オイディプス王終演
全公演、終了しました。お運びくださった皆様ありがとうございました。
物語は悲劇なので、こんな感想もどうかと思うのですが…楽しかったです。
カーテンコールでうっかり笑顔な自分に気付いて、おっと!?と思った瞬間もありました…。
毎回、舞台上の台上で展開される事象に対して、それを受けて民衆としての感情を表現していく。
あんな美しい王様はいつまででも見ていられるし、次々に難問を吹っかけてくる登場人物達にはドキドキするし…ぶっちゃけ、二時間半も舞台上に水も飲まずに居つづけるなんて、そんなこと私に出来るのか?と思っていましたが、杞憂でした。そんなことも考えるひまなく次々と感情が転がっていきました。
逆にそれを自力で転がして物語を進めて行く王や、瞬発で登場する人物は自家発電しなきゃならないから…命を削ることどれほどか。こちらは与えられた感情そのままに、そこにいれば良いだけだったのです。もちろん、お客様にとって道しるべとなるべく居ずまいでということ前提ですが。
この物語の最後の言葉は「命が果てるその時に悲嘆にくれずに生涯を無事に終えたとわかるまで」、コロスの言葉です。
結局オイディプスは最後はどう果てたのか…続とされるコロノスのオイディプスを読んで、私は「嗚呼…」ってなりました。2500年も前に生きていた人と死生観は変わらない。今の自分を肯定してくれた気もしました。 改めて、凄い劇作だと思いました。 そして、今回、そこに踏み入れたことで、長い演劇の歴史の河のひとしずくとして仲間に入れて貰えた気がしちゃってます。アポロンとアルテミスに…私の信仰では大日如来と月光菩薩!?…いや、ほぼ無宗教ですけど、偶然か運命かどっちかもわかりませんけど、この巡り合わせに感謝の念が湧いています。 この機会をありがとうございました。 関わった全ての皆様に…ありがとうございました。
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